彼女にはかてないんだよ。彼女にはかてないんだなと思ったんだよ。

カフェラテのふわふわカップにひっついて離れない離れないはなれな

墓までも持っていこうぞその細い手首と我が契ったことは

こんな家出てやるんだから。こんな傾いてからっぽの家なんかすぐに

通学路高いお空とかえりみち赤いリボンと自転車のすず

泣くつもりなかったの。全然期待しないし明日ももとめないでしょ。

トーキョーへ忌引きで出かけた友人へ　電車は乗るな　生きて帰れよ

真夜中の金切り声と戸を「ばたん」って閉める音　首絞める音

立て篭もり発生！風呂場乗っ取ってます！
ご不浄じゃなくてよかった。（よかった）

電話線抜いた・電話線切った・ケータイは携帯できてほんとよかった

はれた目じゃ学校へ行けないの。明日は図書館開館日？

どれもこれも丈夫な柱が見付からない　未来予想図ドミノ倒し

雨に風にさらされて毒気の抜けたピンク　堕ちたピンク　断髪式

吾ときみをだれもしらない町へ行きはっぱの陰でキスをしようか

流木にこんにゃく添え木のおばあさんお元気ですか。聞こえませんか。

強風に流されていくピンク色　くもりくもりくもりわたし

寝たきりの介護に疲れたおばさんは白内障で入院中です

得意気にフル発揮した鬱病を調理するのはメンドウクサイ

寝込んでるときに限ってやってきて言うだけいって帰っていくの

ふらふらとデパスの効いたあたしから発することば、真に受けないで

病院の待合室の独特のにおいできみを思い出したよ

夢ばかりみるから大人になったときギャップに困って死ぬかもしれない

もういっそ狂ってしまえば楽なのに。誰か代わりを見つければいいのに。

電話口　くすぐったいのは湯上りのリンスと春のくうきのせいよ

なにもかも全てうまくはいかなくて歯痒いおもいをかみしめるだけ

留守電のランプが不吉な色なのはロクな用事が入ってないから

永遠をおもわせながら現実に導くことがあなたの使命

おぞましいほどに冷たいあなたの手
その指になら絞められてもいい

ヨーグルトはみっちゃんちの味がする（らしい）三時。
おうちの母になるとき。

嬉しいとすなおにいったらかわいいといわれてしまった(友達の彼氏に)

電話口、向こうの彼はにせものの、私の知らないことばをいうの

ならうちは、向日葵の種を植えてやろう。
オモチャで喜ぶくらいだからね。

満面の笑みの向こうの暗闇はびっくり箱よりタチが悪くて

その先に見るものすべてを追い越したあなたを我は春と名づける

鈍色のお空を避けて、さあ行って
私は大人よ。恨んだりしない。