10月31日
父さんが母をおまえと呼ぶ朝に固焼き手前の目玉焼き食う




10月29日
群青に染まった若戸大橋は疲れを乗せて家路をたどる

焼き立てとは言いがたいかなシナモンパン 薄暖かい母体のような

今朝もまた何千何百何十の人ごみ抜けて雲と散るらむ




10月28日
何もせず流れるままに流されるピーマン頭でチャーハン作る




10月27日
ありえない寒さの中でチャリを漕ぐ
八坂神社はただただ遠い




10月25日
またメールするねと言われて待っている吾の右手には魍魎の匣




10月24日
伸びたねと指から落ちるくせっけが排水溝へ
また切ったげる


寝坊した朝に限って君と会い呼び止めてよのいたちごっこを


気が付けば陽は落ちていて月が出てあなたとやつの時間始まる




10月18日
守られる対象でないことくらい弁えている
空は高くて




10月17日
すきだよと言われてすきと答えたら明日が変わっていたかもしれない




10月15日
重荷にはなりたくないと思うのに募る思いに打ち勝てなくて




10月14日
謝るな。きみもわたしも悪くない。
世の常識が変わらないから。




10月13日
愛情の足りない子供は泣くと言う。
それでも駄目なら食うのだそうだ。




10月11日
余りある時間がわたしを追いかけてベランダから落ちる夢から覚める




10月10日
境界が見えなくなった吾は今一日四食平らげている




10月9日
茜射すプラットホームでダイブするデジャヴを見たの
Once Again


わかってよ。わかった降りをしないでよ。構って欲しくて気付いて欲しくて。




10月8日
あをぞらに堕ちる光の筒よりは天使が命を持ちいずるといふ




10月7日
口に出してしまうと嘘になりそうで次の機会にと3年越しです




10月6日
すれ違う瞬間きみと目が合って追いかけたいよとおもいました。




10月5日
悲しくも時間はとうに過ぎていて 帰れない日もあるということ




10月4日
「コラ」でなく「ごめん」を教えたきみは今いったい誰に伝えているの


思い出は思い出すためにあるんだけど今更夢に出たりしないで


相槌を打てば打たれる会話の中 愛想笑いのしわが出来たり


「汗だくの美少年か そそるなあ」
祥子さんとかお母さんとか (キス6巻)


香りよい赤薔薇までもわたしの敵。
気管も肺も許してくれまじ


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